前回の日記で書いた経常収支比率表ですが、こんな簡単な計算書でも対象会社の決算書がなければもちろん作れません。銀行などこちらの方が強い立場にあるのなら、決算書や申告書を出すようにお願いできるところですが、普通の会社が販売先の会社を分析する場合には、相手がお客様である以上おいそれと決算書を出してくれと頼めないところがつらいところです。
このような時に役立つのが帝国データバンクや東京商工リサーチの信用調査報告書です。
帝国ニュースやTSRレポートなどの倒産速報なども面白いのですが、一番ありがたいのはやはりこの調査報告書です。このレポートがどんなものか、どういう風に読みこなすかという文庫本もあったりします。
- 作者: グレイル
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
徴求するのにちょっとお金がかかりますが、その会社の今までの軌跡や業界内での評判、経営者個人の経済状況といった定性情報のほか、数期にわたる決算情報や銀行借入などの情報もレポートの巻末についていて、ちょっと決算書を出してくれと言いづらいお客さんについてもこのレポートで決算書を手に入れることができます。
債権管理の仕事をしていた頃・・・
この決算書で経常収支比率表を2期分作成してみる。
「あれ?二期とも経常収支がマイナスになっている。どうやってマイナス分を補っているんだろう?ファイナンスかな?固定資産の売却かな?」
と考えて、改めてB/Sを見てみる。
「あ、やっぱり借入金が増えているよね。でもなんでこんなに貸してもらえるんだろう?社長の信用力かなあ?」
なんて考えながら、新規のお客さんの社内レポートを作成していたことも、今ではいい思い出です。