昨日の日記で、「法人成りした場合の法人の決算は赤字にするのがセオリー」と書きましたが、そうしてしまうと節税にはなりますが決算書がボロボロで見栄えの悪いものになってしまうのもまた事実です。
決算書の見栄えといえば、先日本屋さんの店先でつい買ってしまったのがこちらの本です。
- 作者: 大林茂樹
- 出版社/メーカー: 九天社
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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確かに税務署は文句はいわないでしょうけど、銀行に見栄えのする決算書を作るために保険積立金のような財産性のある資産まで簿外資産にしてしまうのはいかがなものかと。
貸借対照表の大事な役割の一つは、ある時点で会社を解散した場合の解散価値を示す「財産表示機能」であり、『総資産○○率』などの指標の計算のためにあるわけではないのですから。
架空資産や財産性のない資産がてんこもりなメタボな決算書も問題ですが、簿外資産を作ってまでダイエットした決算書で銀行にアピールするのもどうなのでしょうね?
以前与信管理の仕事で販売先の決算書を分析する業務をしていたことがありますが、そんな対銀行のためにダイエットした決算書を見せられたら逆に不信感を抱いてしまいそうな気がします。決算書と一緒に申告書も徴求した場合、経験上二つを見比べて「この会社、中小企業なのに何故こんなに申告調整項目が多いのかな?税務の処理がいい加減だから、税務調査で色々問題事項を指摘されたんじゃないのかな。」と初めからバイアスかけて見てしまうような・・・。
経営者の恣意的な判断で「申告調整さえやってればOKってことだから、なんでもかんでもB/Sから落としてしまえ!」みたいなことになると、ちょっと困りものですね(笑)。