今日の日経新聞の一面は、日米欧で時価会計を凍結という記事でした。
記事を読んで思い出したのが、田中弘先生の「時価会計不況」という新書本です。
- 作者: 田中弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/05
- メディア: 新書
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昔に財務諸表論を勉強していた頃、田中先生の本を副読本にしていたせいで取得原価主義が刷り込まれているのかもしれませんが、時価会計や資産負債アプローチというのは今でもなじめません。
投機目的の資産であれば時価評価するのもやむなしと思いますが、事業資産の時価の上下で会社の資産価値が上がったり傷ついたりするのは、なんとなく気持ち悪い感じがぬぐい切れないのですね。会社の事業の成果は取得原価主義に根ざした期間損益に現れるべきだと思いますし、そんなところに含み損や含み益といった将来の不確定な要素を取り込んでしまうというのは、個人的にはぞっとしないところです。
B/S面からみても、貸借対照表の「財産状態表示機能」はそれなりに重要でしょうけど、100%その機能を貸借対照表に求めなければならないものなのでしょうか?
3年程前、同じ論調で描かれた次の本を読んだとき、怖い結末に背筋が寒くなったことを感想に書いていますが、この悪夢のシナリオがいよいよ実現するのでしょうか・・・。
「不思議の国の会計学」を読んだこと - 夢見る税理士の独立開業繁盛記
★そういえば昔、自民党の相沢英之さんが一度時価会計の凍結を主張していたことがあったような・・・。あれは日本だけの話でしたが、今度は世界中で時価会計凍結になるのでしょうかね。