前回の日記で「会社数字がわかる計数感覚ドリル」の本を読んだことを書いたところ、「この本も面白いから読んでみたら」と勧められて、読んでみました。
- 作者: 協和醗酵工業
- 出版社/メーカー: ソーテック社
- 発売日: 1978/07/20
- メディア: 単行本
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内容としては全くの初心者向けに、損益分岐点のはじき出し方と、貸借対照表・損益計算書と資金繰り表の相関関係の説明に重点が置かれています。
特に損益分岐点の解説については半分ぐらいのページを割いて、初心者が直観的に会社の採算性が理解できるようになるよう解説されています。これでもかというぐらい段階を踏んで説明しているので、会計の予備知識がなくても自然と損益分岐点の考え方、ひいては採算性について理解できるようになっています。
また後半についても30年も前に、財務三表の関係、特に資金繰り表の重要性を説明しているところに、この本の先進性を感じさせられます。
構成も見開き2ページの左側が図版、右側が解説の読みきりで、テンポよく読み進めることができました。
財務三表の関係といえば、昔一般企業の経理課員をやっているころ、社内の財務分析の研修の講師に駆り出されることがありました。
貸借対照表と損益計算書の見方をざっくり説明した後に、上場会社の決算公告の資料を使って財務分析を実践してみるという流れでやっていましたが、「B/Sの資産が増えると資金負担が増える」という説明を聞いた受講者の「??」という表情を見る都度「資金繰り表を説明しないと、片手落ちなんだよね・・・。」といつも無念に思っていました。
それでも
「在庫が増えることがなんで悪いのか、なんとなくわかりました。」
「滞留している売掛金について、小林さんがいつもキーキーやかましく回収するように文句いう理由がわかりました。」
などといわれてうれしく思うとともに、「次回は資金繰りの関係なども、もっと上手く説明できればなあ・・・。」と反省していたことが思い出されました。
その頃にこの本を読んでいたならば、もっと分かりやすくかつ面白く教えることができたかもしれませんね。