最近新書はいろいろな出版社さんから次々と新しいものがでてくるので、本屋さんに行くたびに目移りしてしまうのですが、この1冊は当たりで楽しく読むことができました。
- 作者: 大庫直樹
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: 新書
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ここ20年ぐらいの銀行の統廃合の話に始まって、現在の銀行の収益モデルや中小企業への貸し出しの実態、そしてあるべき銀行の姿と、現在の銀行の置かれている状況から果たすべき役割まで、平易な言葉で分かりやすく書かれています。
特に面白かったのが、今日の銀行の収益モデルについて解説しているくだりでした。
もともと欧米の銀行に比べて、日本の銀行は手数料収入が低く収益性が悪いといったことは、漠然と知っていましたが、それ以上に目から鱗な色々なことを知ることができました。
- 「現在の平均的な預貨率(預金と貸付金の割合)は70%で、預金がだぶついているが、積極的な貸し出しは行っていない。」
- 「ネット銀行の預貨率は10〜20%(従来の銀行とは、収益モデルが全然違うのですね・・・。)」
- 「現在貸出をしていないゆうちょ銀行が貸出に参入してきたら、預貨率はもっと下がる。」
また印象的だったのは、最後の「本質は21世紀の中小企業問題」という章でした。
従来の担保を中心とした貸し出しから、財務分析などを中心とした審査を重視する貸し出しにシフトしてきているという現在、その基礎となる決算書作成のお手伝いをする税理士も責任重大ですね。
債権管理の仕事をしていたこともあって、決算書分析の重要性は身にしみて分かっているつもりですので、できるだけ会社の本来の姿を写し出す決算書作成のお手伝いができるよう、心していきたいと思います。
神戸市東灘区御影の会計事務所 小林敬幸税理士事務所です
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