今月は会計ソフトを導入していただける方が多いのですが、会計ソフトの導入で思い出すのは、昔記帳指導を担当していた際に、指導していた方から次のように言われたことです。
会計ソフトの使い方を一通りマスターされて、確定申告書の作成まで自分でできるようになった方だったのですが、「弥生会計って、めちゃくちゃかしこいですよね。会計ソフトがここまでやってくれるんだったら、小林さんみたいな税理士は何をやってくれるんですか?」と真顔で質問されました。
「いやいや税理士の仕事は、きちんとした帳簿ができてからが勝負ですから・・・」という感じで返したのですが、正直小規模なお客様の場合、会計ソフトでのきちんとした帳簿とそれに基づく確定申告書の作成ができるようになったら、なかなかそれ以上に付加価値を提供できる機会が少ないのも事実です。
経営が軌道に乗って成長段階にはいると、決算対策や節税・資金調達のアドバイス、経営計画の作成と腕の見せ所もでてくるのですが、それまでは帳簿のチェックと税務書類の作成以上の業務は、恥ずかしながらあまりできていないのかもしれません。
こういった「税理士いらず」というソフトがあるのも、そんな現状を反映したものなのでしょうね。
税理士として何ができるのか、また頭をひねって考えないと・・・。
※会計ソフトといえば、先日喜ばれた弥生会計のTipsを一つ。
いままで入力した伝票をまとめて削除する場合、仕訳帳の左端をドラッグして選択すると、反転している仕訳をまとめて削除することができます。
昔大きな会社の経理をしていたときは、振替伝票を間違えて入力したら、その度に反対伝票を起票して上司のハンコをもらった上で入力・訂正していました。まどろっこしいことこの上なかったのですが、訂正や削除の過程が帳簿に記録されるというのは大きな会社では大事なことだったのでしょうね。