私の本
個人事業者・フリーランスのための小さな会社をつくるメリット・デメリット
- 作者: 小林敬幸
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2010/09
- メディア: 単行本
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こちらの本の「昼食代は半額を負担して、月3,675円まで経費にできる」という項目で、従業員が半額以上を負担するなら、会社側は月3,675円までの食事代を給与ではなく福利厚生費などの経費として、非課税の現物給与として従業員に提供できると説明させていただきました。
こちらの内容についてご質問をいただいたのですが、その主旨は「会社が消費税を税込経理している場合でも、通達にある3,500円ではなく3,675円まで負担していいのかというものでした。」
所得税の基本通達では、食事代の非課税限度額については以下のように3,500円までとなっています。
所得税法基本通達
36−38の2(食事の支給による経済的利益はないものとする場合)使用者が役員又は使用人に対し支給した食事(36−24の食事を除く。)につき当該役員又は使用人から実際に徴収している対価の額が、36−38により評価した当該食事の価額の50%相当額以上である場合には、当該役員又は使用人が食事の支給により受ける経済的利益はないものとする。ただし、当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円を超えるときは、この限りでない。(昭50直所3−8追加、昭59直所3−7改正)
そしてこの金額の判定については、消費税が導入されたころの下記の個別通達で、税抜で判断するとなっています。
平成元年1月30日直法6-1(例規)
平成9年2月26日課法8-1(例規)により改正
消費税法等の施行に伴う源泉所得税の取扱いについて(法令解釈通達)
・・・・
2 非課税限度額の判定
所得税基本通達36-22*1、36-38の2*2に定める非課税限度額の適用に当たっては、当該経済的利益につき、所得税法等に定める所定の評価方法により評価を行った金額に105分の100を乗じた金額をもって、当該通達に定める非課税限度額を超えるかどうかの判定を行うこととする。
また、昭和59年7月26日付直法6-5「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭に対する所得税の取扱いについて」通達に定める非課税限度額の適用についても、上記に準じて取り扱うこととする。
(注) 上記の105分の100を乗じた金額に10円未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てるものとする。
・・・・
そのため税込経理であっても、3,675円まで非課税で会社の経費にすることができることになります。
同じ限度額でも、交際費飲食代の5,000円基準とか、少額減価償却資産の30万円基準とかは、税込経理の場合は税込みで判定します。
そのため、この食事代とはやり方が違うので「??」となりがちですよね。
おまけに税抜きで判断していいというのは、個別通達の方に書いてあるのでますます「??」という感じで悩んでしまわれると思います。
★質問の他、読後の感想として
法人成りシミュレーションシートのほか、社宅家賃の自動計算シートや議事録などのテンプレートも盛りだくさんで、これで1,470円とは出血大サービスですね。
自分の仕事でも、さっそく活用させていただいています!
といただきました。
本を書いてうれしいのは、やはりこういった感想をまったく知らなかった方からいただけることですね。本当に励みになります。
来年も何か1冊、便利で役に立つような本を書ければいいのですが、まだネタが思いつかないですね・・・。