少人数私募債のことについて調べることがあったので購入したのですが、非常にいい本でした。
- 作者: 二見達彦
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 単行本
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少人数私募債とは、小さな会社でも発行できる社債のこと。
募集人数が一回あたり50人未満という制限があるものの、ほぼ自社内の簡単な手続きだけで発行できるようになっています。
簡単な手続きとはいえ、扱いは一般の社債と同じなので、利子は受取る側では「利子所得」として扱われます。
つまり預金利息と同様、国税15%、地方税5%の一律源泉分離課税となり、確定申告が不要になります(法人側で、源泉税の納付手続きが必要になりますが・・・)。
普通に個人から借り入れて利息を払う場合、払う側の法人で損金算入できるのは同じですが、受け取る個人側では雑所得として総合課税の対象であり、さらに同族関連者の場合給与所得者であっても20万円未満の利息でも確定申告が必要となるので、個人が高額所得者の場合20%の源泉税だけで済む社債は節税の面からも有利になってきます。
こちらの本は、発行から、利子の支払い、償還から借り換えまでの一連の手続きを分かりやすく説明されているうえ、必要な書類のテンプレートが添付のCD−ROMに収録されているので、便利に活用することができそうです。
この本を読んで初めて知ったのが、埼玉の川口市や横浜市などでは、私募債の利子補給として補助金が支給される制度があることです。
川口市では2%までが支給されるとのこと。利息を3%で発行すれば、実質1%で資金調達できるということですね。関西ではやってくれるところはないのかしらん。