帳簿をチェックしていると、クレジットカードで決済された寄付金に出会うことがありました。
最近はクレジットカードで寄付ができて便利だなあとか思いながらチェックを進めていたのですが、はっと思い当たったのが「未払寄付金は、別表加算必要じゃなかったっけ?」ということです。
未払寄付金の損金不算入、受験時代の模擬試験ではお馴染みでしたが、実務で出会ったのは初めてです。改めて、根拠の規程を確認してみました。
寄付金は下記の施行令の通り、法人税法上実際にお金を払うまでなかったものとされています。
法人税法施行令第78条(支出した寄附金の額)
法第37条第7項(寄附金の意義)に規定する寄附金の支出は、各事業年度の所得の金額の計算については、その支払がされるまでの間、なかつたものとする。
さらにダメ押しで、下記の通達が設けられています。
法人税法基本通達9−4−2の4(手形で支払つた寄附金)
令第78条第1項《支出した寄附金の額》に規定する「支払」とは、法人がその寄附金を現実に支払つたことをいうのであるから、当該寄附金の支払のための手形の振出し(裏書譲渡を含む。)は、現実の支払には該当しないことに留意する。(昭50直法2−21追加、昭55直法2−8改正)
そのため、未払などで損金経理した場合、申告調整を行う必要があります。
別表四で「未払寄付金否認(加算・留保)」で、翌期引き落としがあったら「前期未払寄付金認容(減算・留保)」を行ったうえで、寄付金の損金不算入計算の対象に含めることになります。
確かに寄付金は贈与ですから原則いつでも撤回できるので、現金を支払うまでは損金算入×ということなのでしょうね。期末にクレジットカードで寄付をする場合には、引き落とし日を考えておく必要があるのかもしれませんね(^^;