夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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相続で取得した減価償却資産の取得価額と償却方法

相続で取得した建物について、被相続人の固定資産台帳をそのまま写して償却計算をしようとしていたのですが、自分の中でささやく何かが違うような予感・・・。
というわけで、ちょっと調べてみました。


まずは取得価額。

所得税法施行令 第126条 (減価償却資産の取得価額)
2  法第60条第1項 各号(贈与等により取得した資産の取得費等) に掲げる事由により取得した減価償却資産(法第40条第1項第1号 (たな卸資産の贈与等の場合の総収入金額算入) の規定の適用があつたものを除く。) の前項に規定する取得価額は、当該減価償却資産を取得した者が引き続き所有していたものとみなした場合における当該減価償却資産のこの条及び次条第2項の規定による取得価額に相当する金額とする。

と相続で取得した減価償却資産は、被相続人が引き続き所有していたとみなすので、被相続人の取得価額と未償却残高をそのまま写してOK。


一方で償却方法は。

所得税法施行令 第120条の2
平成19年4月1日以後に取得された減価償却資産(第6号に掲げる減価償却資産にあつては、当該減価償却資産についての所有権移転外リース取引に係る契約が平成20年4月1日以後に締結されたもの) の償却費の額の計算上選定をすることができる法第49条第1項 (減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法) に規定する政令で定める償却の方法は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める方法とする。
◆1  建物(第3号及び第6号に掲げるものを除く。)  定額法(当該減価償却資産の取得価額にその償却費が毎年同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率を乗じて計算した金額を各年分の償却費として償却する方法をいう。以下この目及び第3目(減価償却資産の償却費の計算) において同じ。)
◆2  第6条第1号(減価償却資産の範囲) に掲げる建物の附属設備及び同条第2号から第7号までに掲げる減価償却資産(次号及び第6号に掲げるものを除く。)  次に掲げる方法
イ 定額法
ロ 定率法

ここでいうところの取得には、下記の通達のように相続も含むということなので、「取得日=相続日」ということになります。
また償却方法もこの取得日に従うことになるので、被相続人の償却方法をそのまま持ってきたらダメなことになります。

所得税法基本通達 49−1(取得の意義)
令第120条第1項及び令第120条の2第1項に規定する取得には、購入や自己の建設によるもののほか、相続、遺贈又は贈与(以下49−3において「相続等」という。)によるものも含まれることに留意する。(平11課所4−1追加、平19課個2−11、課資3−1、課法9−5、課審4−26改正)


こちらの国税庁のホームページにも計算の事例がありますね。
平成19年4月1日以後に相続により減価償却資産を取得した場合|所得税目次一覧|国税庁
定率法とか均等償却で減価償却費が少額になっていたものも、改めて定額法で計算できるので、結構償却費も変わってきます。
思い出した自分GJです(^^;。でも自分頼みというのも、一人事務所の怖いところですね・・・。


※達人様にもちゃんと、「相続時帳簿価額」の入力欄がありますね。


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