夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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特別償却をした動産の相続税評価額は?

太陽光発電設備を取得して100%即時償却した場合、相続税の財産評価額はゼロになると聞いたのだけど・・・?」と質問されることがありました。
いくら簿価がゼロでもそれは無茶なと思いながらも、悩んでしまったので少し調べてみました。


相続税法における財産の評価額は、原則「時価」とされ、通常は財産評価基本通達に従って評価した金額が時価となります。

相続税法第二十二条(評価の原則)
この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。


財産評価基本通達1 (評価の原則)
財産の評価については、次による。(平3課評2−4外改正)

(2)時価の意義
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。


そして財産評価基本通達では、動産は原則売買事例価額など又は再調達価額から定率法による減価償却費相当額を引いた金額になります。

財産評価基本通達129(一般動産の評価)
一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。ただし、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない動産については、その動産と同種及び同規格の新品の課税時期における小売価額から、その動産の製造の時から課税時期までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。)の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額によって評価する。(昭41直資3−19・平20課評2-5外改正)


財産評価基本通達130(償却費の額の計算)
前項のただし書の償却費の額を計算する場合における耐用年数等については、次に掲げるところによる。(昭41直資3−19・平20課評2-5外改正)
(1)耐用年数
 耐用年数は、耐用年数省令に規定する耐用年数による。
(2)償却方法
 償却方法は、定率法による。

減価償却方法は「定率法」のみで特別償却などは考慮しないので、たとえ所得税で100%の特別償却をしていても、相続税評価がゼロになるということはないということですね。
評価額は時価が原則ということが分かっていても、唐突に聞かれて「もしかしたらゼロ?」と悩んでしまうようでは、まだまだ修行が足りませんね(^^;。


※今日は千葉で税理士さんのイベントに出席していました。

船橋や市川は来たことがありましたが、千葉駅は初めて。東京から結構遠いのですよね。


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