先日支部の役員会に出席した際、同じ支部の税理士さんから「小林さんのところは電子帳簿保存法への対応って、どうやってますか?」と聞かれることがありました。
「電子取引データの保存の部分が課題ですけど、これはという方法で対応できていないですよね~。本会の情報システム部でいい研修をしてくれたらいいのですけど・・・」などと言っていたのですが、令和6年1月の義務化が迫っているのに何も出来ていない状況は我ながら褒められた状況でもないので、どうするのがいいんだろうと時々考えながら答えが見つけられずにいます。
この電子帳簿保存法、保存対象となるデータを以下の3つに区分して、それぞれのルールが定められています。
- 「電子帳簿等保存」(会計ソフトなどで作った帳簿をデータで保存)
- 「スキャナ保存」(紙で受け取った書類をスキャンして、データで保存)
- 「電子取引」(データで受け取った取引データを、データで保存)
このうち1と2は「できるのならやってもいいよ」というできる規定なので、あまり焦って対応する必要もないのですが、3は令和6年1月からメールやクラウドストレージ、ネット通販などで請求書・領収書・契約書などの電子データをやり取りすると、以下の3つの要件に従ってその電子データを保存しなければなりません。
- 改ざん防止のための措置をとる
- 「⽇付・⾦額・取引先」で検索できるようにする
- ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける
1と3はそれほど難しい要件ではないのですが、悩ましいのは2の「『⽇付・⾦額・取引先』で検索できるようにする」です。
国税庁のチラシでは専用のシステムやソフトを使わなくても、以下のようにエクセルとかファイル名にこの3つの項目を入れて記録しておけば、この要件を満たしますよと解説されていますが、
これをお客様に説明すると、「こんなまどろっこしいことやってられるか」とか「専用のソフトとか、なんでこんなものにお金を払わなあかんねん」などと、あまりいい顔をされないことが多い印象です(^^;。
お金と手間もかけずに効率的に電子データを保存する方法がないかなあと色々考えているのですが、最近PDFからテキストファイルを抽出し、ここから自動で「日付」、「金額」、「取引先」を引っ張ってくることを検討しています。
メール添付でやり取りする請求書・領収書、ネット通販の領収書は9割以上PDFファイルかなという印象なので、PDFファイルをエクセルに放り込んだら、自動で日付と金額、取引先を抽出してエクセルの索引簿を作って、ファイル名もリネームしてクラウドストレージに保管することが目標です。
例えば私の事務所で注文した、以下のようなPDFの通販の領収書。
これをエクセルにドラッグ&ドロップすると、動画のような感じでテキストデータを抽出して
www.youtube.com
以下のようなPDFのレイアウトに準じたテキストデータと
全てのテキストデータを一列に並び変えるマクロを作って見ました。
問題はここから「⽇付・⾦額・取引先」をどうやって自動的に見つけて抽出するかですよねえ。
領収書、請求書の書式は千差万別ですから、「こういうデータは取引日の可能性が高い」とか「こういう名前は取引先名の可能性が高い」とか、それぞれのデータに評点を付けて、点数の高いものを引っ張ってくる方法がいいのかなあ・・・。まだまだ先は長そうです。