夢見る税理士の独立開業繁盛記

神戸市東灘区で開業している駆け出し税理士の、試行錯誤日記

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MMFと課税売上割合

今回MMFを換金された法人があったのですが、MMFの換金が有価証券の譲渡に該当するのか否かで少し頭を悩ませることがありました。

消費税の世界では預金などの元本の払い戻しは計算に影響しませんが、有価証券の譲渡の場合には非課税取引として課税売上割合の計算に影響してくることになります。特に今回課税売上割合が95%ぎりぎりでしたので、きちんと確認しておかなければと思い色々確認してみました。


MMFは公社債投資信託。日々決算で、30日ごとに分配金が再投資されます。元本部分を換金すると、やはり投資信託の譲渡ということで有価証券の譲渡になるのかな?
と悩んでいたら、国税庁質疑応答事例にそのものズバリの事例がありました。

中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)
【照会要旨】
 中期国債ファンドを保有している場合の消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
 中期国債ファンドは公社債投資信託で、設定後30日経過後であれば、手数料なしで解約ができます。
 収益の分配は、毎日決算を行い計上され、毎月末に一括して再投資(元本組入れ)されます。
 なお、設定後30日以内に換金する場合は、公社債投資信託の受益証券を証券会社にその時の時価で買い取ってもらうことになります。

【回答要旨】
1 中期国債ファンドを設定後30日以内に換金した場合は、その時の時価で有価証券を譲渡したことになります。
 この場合、課税売上割合の分母には譲渡対価の5%を加算します(令48)。

2 設定後30日経過後からは、分配金とされる金額は利子となり、この分配金を課税売上割合の分母に加算します。

3 設定後30日経過して解約(換金)した場合は、解約における収益分配金は利子となり、元本の返還部分については課税関係は生じません。この場合は、収益分配金を課税売上割合の分母に加算します。

【関係法令通達】
 消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条第5項

理由はよく分からないですが、30日を境に取り扱いが変わるのですね。なんで30日経過後は収益分配金だけが非課税扱いで、元本部分は不課税になるのかな?該当部分の条文を読んでもよく分かりませんが(・_・?)、まあとりあえず元本部分は非課税取引に該当しないようで一安心です。


しかし普段課税売上割合が「99.○%」なお客様が、単発的な取引で課税売上割合がぐぐっと下がると焦ってしまいますね。普段「課のみ」、「非のみ」、「共通対応」といった仕入の課税区分を全く意識していないので、いざ95%を割ってしまうと元帳を期首から洗い直す必要がでてきてえらいことになってしまいます。
今回の場合はなんとか95%を超えたので、思わず「やったあ!」と心の中でガッツポーズを決めてしまいました(笑)。