今回は最近教えてもらって目から鱗となった減価償却のお話です。
法人税法でも所得税法でも、減価償却費は税金の計算上費用に認められます。
しかし費用の認められ方が法人税法と所得税法とで若干違います。
法人税法では、会計で減価償却費として計上した金額のうち、税法の規定で計算した上限に達するまでの金額が費用に認められます。すなわち税法の限度額に達するまでの金額であれば、任意で減価償却費を計上できることになります。
一方所得税法では、減価償却費は税法の規定で計算した金額が強制的に計上されます。会計で税法の金額より少なく計上しようと多く計上しようと関係ありません。
そこで問題になってくるのが、減価償却資産の耐用年数を間違っていた場合の受入処理です。
税務調査等で減価償却の処理を間違っていた場合、5年又は7年にさかのぼって更正により修正処理されますが、それ以前の処理については追及されることはありません。
例えば減価償却資産の耐用年数を本来の年数より短い年数で処理していた場合、上記更正期間分の減価償却費は過大ということで修正を受けますが、それ以前についてはお咎めなしということになります。
ではその減価償却資産の帳簿価額はどうなるのでしょうか?
法人税の場合、償却費として費用にすることができるのは
なので、更正期間を超える期間分の税法の限度額を超えた金額は、既に税金の計算上費用として認められているので、減価償却資産の帳簿価額を特に訂正する必要はないということになるようです。
一方所得税では、税法の規定で計算した金額が償却費として強制的に計上されるため、更正期間を超える期間分の税法の限度額を超える部分の金額は初めからなかったものとされるため、減価償却資産の帳簿価額に加算することになるということでした。
うーん、それって所得税の場合一回償却費として計上した金額を、またもう一回償却費として計上してもいいということなんですよねえ・・・。耐用年数を間違えると、そんな一粒で二度おいしい結果になるものなのですね。所得税、条文数が一番多い税法だけあって手強いです。
税理士がこんなこといってたらダメですが、やはり本当に税法って難しい!!。もっともっと勉強しないと。